CHICORITA主任

ウィッシュのCHICORITA主任のレビュー・感想・評価

ウィッシュ(2023年製作の映画)
4.0
過去作への数々のオマージュと、メタフィクショナルなストーリー構造を持った、ディズニー・アニメーション・スタジオ100周年記念作品。

話には聞いていたけど、ここまでメタな映画とは思わなかった!
ロサス王国はディズニー・スタジオで、国民はクリエイター・スタッフたち。王様はウォルトをはじめとしたファウンダーやレジェンドクリエイター、そして経営陣のメタファーか。願いとは創作の原動力となるアイデアで、魔法とはそれを具体的な作品として表現するためのクリエイティビティの象徴。主人公アーシャは、直接創作をする人ではなくクリエイターを応援する立場なので、プロデューサー的なポジションのキャラクターでしょうか。
表面をなぞるだけでも喉ごしよくスルッと飲み込めてしまいますが、メタ構造に着目して見るとかなりの噛みごたえのある作品でした。

これからの100年を担う子どもたちはもちろん、これまでのディズニーを愛してきた我々大人世代に対する決意表明が込められた映画。
100周年記念のお祭り映画としてはかなりの意欲作なのではないでしょうか。期待以上に楽しめました。

もちろんミュージカルアニメとしての出来の良さもさすがディズニーというクオリティなので、家族全員が楽しめる作品です。この年末年始、ぜひ映画館でご覧ください。

そしてこれにて2023年の劇場での映画見納め。
本年もお疲れ様でした。良いお年をお迎えください。
CHICORITA主任

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