とか26

ウィッシュのとか26のネタバレレビュー・内容・結末

ウィッシュ(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

🟨【良かったところ】
アーシャ、あの鼻の大きさで
パッと見 可愛く作れてるのすごすぎる。

内容が明確な夢じゃないと
波及的にさまざまな危険を生み出し
国の不利益になる可能性があるから叶えない
っていう設定が好きだった。
自分で夢を叶えられない人々だけが
夢を預けてるんだから、
それを返してあげることは
逆に叶わないことを思い出させることになって
不幸だから返さない、ってのもめっちゃ好き。
専制主義な感じではあるけど
理屈が理解できる思想で動いてて良かった。

国王が敵っていう察しやすい構図を
無駄に引っ張らず早めに提示していて
序盤のテンポは良かった。

夢を失ったことで密告者になるとかいう
あまりにもエグいリアリティ、
たまに見れる猛毒ディズニーしてて良かった。

生田さんの演技は
ずっと生き生きしてて聞きやすいし、
福山さんはさすがの音程コントロールなので
ミュージカルパートが楽しかった。
「な、んて、無礼、なあ!」のリズム
めっちゃ心地いい。

主題歌歌い終わった瞬間に
【星に願いを】に繋げてきたのが好き。
基本オマージュとして出てくるのが
【鏡よ鏡】みたいに凡庸性の高い
単語とか文章だったので
あまり違和感がなく溶け込んでた。

じいちゃんが弾く
【星に願いを】で幕を閉じるの、
めっちゃいいんですけど。。✨


🟥【気になったところ】
キャラクターに主線を入れてることで
キャラのCGが安っぽく感じた。
映画じゃなくて
番外編のアニメシリーズっぽさ。
ダリア(メガネの友だち)のデザインとかは
特にアニメシリーズみたいだった。
男性陣、軒並み鼻のサイズすごいのも違和感。

ぜんぜんアーシャのこと信用してくれない
仲間たちのストレス成分も、かなり強い。
個性無いし、血も通ってないんだけど
特にあの朱色の服着た小柄の男友だちは
言動が突き抜けるほどにキツかった。
マスコットキャラたち含めて
キャラに個性を付ける気は一切感じとれない。
マグリフィコ王の個性なんて
ほとんど福山さんの演技部分な気がするし。

夢を差し出すと記憶が消えるなんていう
見えてる地雷に誰も疑問を持たないのは
かなり不気味な世界観。おかしい。

マグニフィコ王の
「夢を破壊するの気持ちいい」とか
「夢を破壊して利用する」みたいな一面は
最初から持たせてた方が
敵としては面白くなってたはず。
マグリフィコ王に貫禄ないのって
中盤でとつぜん夢の破壊を知って
そこから悪役に成長してるからだと思う。
最初から夢の破壊を目的として
国王演じてたほうがよかったと思う。

100周年記念作品としての要素は
充分に備えてはいると思うんだけど、
それ以上の要素がなにもないから
超大作を期待してるとぜんぜん応えてくれない。
YouTube上での
感謝の完全無料配信とかだったら
めっちゃ評判良かったんだろうなと思う。

短編以上、長編未満な"中編"って感覚。
序盤から、中盤が抜けたまま
終盤が始まるような中身のなさだった。
これが2時間超えてたら文句言いたくなるけど
1時間40分だからまだなんとか。

100周年記念作品って言われると
本当にその通りの作品だとは思うんだけど、
これ単品で歴史に残る名作にしようとかは
一切考えてない作りだなって印象だった。
ディズニーの余裕のなさを感じてしまう作品。

ありがとうございました。
とか26

とか26