すずめのちゅん

ウィッシュのすずめのちゅんのレビュー・感想・評価

ウィッシュ(2023年製作の映画)
2.9
『アナ雪のスタッフが送る』というフレーズを聞くたびに思い出すのが某中華料理チェーン店。
餃子は圧倒的にうまい。グランドメニューもだいたい悪くない。しかし揚げ物は悪い、油の主張が激しすぎる。そしてなぜかチャーハンも悪い、メインメニューなのにギトギトでベシャベシャだ。
ウィッシュに当てはめるとこうだ。
歌は圧倒的に良い、メインテーマからエンドロール後まで感動を起こすレベルだ。
ストーリーラインは悪くない、小さな子どもまで視野に入れているからこそのどシンプルな勧善懲悪。
メッセージ性は悪い、『レット・イット・ゴー』という押し付けが激しすぎる、『星に願いを』がテーマではなかったのか。
そしていつもキャラクターの行動原理が破綻している、あんな簡単に秘密を漏らし不満をすぐ爆発させる王に国を作れるわけがないし、嫌がる老齢の祖父にまで主張を押し付け、王の一切を許さない主人公のいったいどこをみて優しすぎるという評価を下されたのか作中だけだと皆目検討がつかない。

それでもやはり、歌はいい。
餃子のためだけに某店に行くように、それだけの価値はある。
普段なら映像もいいというところではあるが、今回星の明るさの対比なのか、はたまた手書き感とのバランスの結果なのか全体的に作画は地味。