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ひとりぼっちじゃないのpurity7のレビュー・感想・評価

ひとりぼっちじゃない(2023年製作の映画)
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長塚健斗の話をします。これはススメの日記みたいなもんですので、読まなくていいですよ。

やれクリエバだ、クリプラだ、トムホだ、マッツだ、チャランだ、リティク様だと叫びつつ、Filmarksで私が唯一 ”スキ”に登録している俳優。普段、邦画は観ないのですが彼の演技を堪能したくて、意を決して行ってきました。ちなみに、これが彼の俳優デビュー作です。

この方は「世をしのぶ仮の姿」をたくさん持っていまして、そのどれもが”人の五感に訴えるものを作り出したい”気持ちに溢れています。特に彼の発する声と身のこなしが作り出す空気が、唯一無二。通常その能力は「バンドのボーカル」姿の時に発揮しているのですが、役者、特に漆黒の闇を抱えた役が似合うと常々思っていたのです。たまに、チャップリンみたいな瞳になる時があるんですよね。チャップリンも闇というか影があるよね。大好物。

ちなみに長塚さんは主演の井口理と関わりが深く、そちら方面から話が来たのかと思いきや、監督の一本釣りだったそうで。とある所でカラオケをしている姿に闇を感じて気になってたらしい。監督、私と同じ感性の持ち主かも。

というわけで、普通に作品としてとても気に入りました。家のテレビでの視聴は向いておりません。せめてヘッドホン付けて観てほしい。はっきり明言してるわけではないですが「子宮」がテーマになってると思いますので、包み込まれるように没入した環境で、ぜひ。

そこはかとない不気味さも、丁度いい塩梅で好きです。最近はA24のような「不快で不気味なシーンオンパレード!どうだ、もっと嫌な気持ちになれ!」って作品が多くて、そういうのって嫌いじゃないけど疲れるんですよね。その点、この作品は「シーンが進むたびに骸骨がどんどんこっち向いてる」とか、「姿見にタバコを吸ってるヒゲの男性が映ってる」とか、可愛らしいもんです。その一つひとつ、どういう意味かなーと考えるのが楽しい。

あと、蓉子の服の色の変化が面白かった。
白→緑→青→赤→黒
無線とかで人の容態を表すコードに使う色だなーと。黒い服で現れた時、ドキッとしましたよ。生命の状態として最終地に達した時に使うコードなもんで。

あとですね、メインの役者3人が3人とも最高でしたね。主役の人、もうすぐドームツアーするんですって。本当に同一人物だろうか。この作品のプロモーションを監督と二人三脚で精力的にこなしてる姿も魅力的でした。「サイド バイ サイド」にもちらっと出てたし、【伊東ちひろユニバース】が繰り広げられたら、熱いな。馬場ふみかは、長い時間、目を見開く能力が高すぎる。ゆっくりと閉じていく瞬きも良き。そして、河合優実の三白眼よ!いや、黒目が見えなさ過ぎて限りなく全白眼になるくらい、睨みつけた時の瞳がヤバい!大好物!

長塚健斗の話だけ書き綴って終わろうと思ったのに、結局つらつらと書いてしまった。それくらい、大好きな作品です。


23.3.14
23.3.15
23.4.6 / ステーションシネマ
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