リーアム兄さん

西部戦線異状なしのリーアム兄さんのネタバレレビュー・内容・結末

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

【好きなセリフ】
カット「みんな永眠したが俺たちは生きてる。これは熱病だ。こんな状況、誰も望んでない。俺たちも相手もそうだが、世界の半分が参加してる。この大虐殺を神は見てるだけ。」

1917年春。第一次世界大戦から3年が経ったドイツではフランスとの塹壕戦が長期に渡り膠着、アメリカの参戦や塹壕戦での犠牲者が増え、敗戦が近くなっていた。ドイツ軍部は戦死者の軍服を回収、修繕し使い回しながら、学生からの出兵志願を募り、新兵を確保していた。パウル(フェリックス・カマラー)もアルベルト(アーロン・ヒルマー)、フランツ(モリッツ・クラウス)、ルートヴィヒ(アドリアン・グリューネヴァルト)ら友人と共に軍隊に志願し、第78予備歩兵連隊に配属となる。祖国を守るという大義はあったものの、戦争経験がないパウル達は「もうすぐでパリに行ける」という楽観的な想像で浮き足立ちながら前線へ向かう。しかしそこに待ち受けていたのは過酷な塹壕での生活と常に死と隣り合わせの環境だった。最初の攻撃で友人が亡くなる光景を目にしたパウルは現実に絶望するものの、攻撃を重ね生き延びていくうちに環境に適応し、一人前の兵士となっていく。しかし、いつ死ぬかわからない環境に気づかないうちに少しずつ精神的なダメージを負っていく。戦争が長期化、犠牲者が増え続け、このままではドイツ国民がいなくなってしまうのでは、と危惧したドイツ政府はついにフランスとの休戦を決める。11月11日11時に休戦協定が発行することが決まり、ドイツ軍は歓喜に沸くが、指揮をする将軍はその発行までに最後の攻撃をすることを決める。休戦まで残り15分、ドイツ軍の最後の攻撃が始まる。