げんぐ

西部戦線異状なしのげんぐのネタバレレビュー・内容・結末

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

原作未読。オリジナル未視聴。
2023年の最初として評判の良い本作を元旦に視聴

戦線で倒れた兵士の軍服をはぎ、洗濯し、ほつれを直して新兵に支給する。冒頭のこのシーンだけタイトルの「異常なし」という言葉が狂気じみてるかを感じさせてくれる。

戦争を知らいない若者が国に高揚感を掻き立てられ、志願し、戦場へ送られる。そこで戦争の恐怖を覚えながらも戦い、仲間が無惨に死んでいく。それとは対を成すように現場に出ない将軍が贅沢な飲み食いをし、机上だけで戦場を俯瞰し、兵士を駒のように使い捨てる。反戦争のメッセージを強烈に感じる映画。
その為か、過度な演出は少なく、爆発や戦場の迫力と言ったものも意図的に控えめ。単純にど派手な戦争映画を期待すると肩透かしを食らうと思う。
しかし、ラストの主人公が停戦間際に特攻させらされ、停戦の号令がかかる数分前に命を落とすのは少々演出が過ぎているのではないか?って気がしなくもない。オリジナルの最後とは違うらしいが、未視聴なのでこの変更の良し悪しは言うことができないのだが…。

エンタメ性を期待せず、時代背景を理解した上で視聴すれば、評判の高さも納得できる作品だった。2時間半と長めの映画だが、オンデマンドなんで好きにトイレも行けるしね。
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