延々と歩く

西部戦線異状なしの延々と歩くのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.0
 かったるい映画なのかと思ったら、ええやん。傑作だと思います。まあ一部の大作映画に特有の、「図体デカくて小回り効かない」感じはあった。良くも悪くも戦場とその周辺しかうつってない、というか…ネットフリックスの資金力があったとはいえ、これくらいがドイツ映画としてはマックスなのだろう。

 とにかく一見の価値はある映画だった。

 小説は苦手なのにレマルクの原作は読んだことがあって、雰囲気が寓話くらいホワホワしてたような、それがかえって「本物の戦場をみてしまった」ショックが今でも残っているような凄みにつながってた記憶がある。バキバキにリアルにしないと見てもらえない映像化作品だと、どうしてもあのニュアンスとは違っちゃって別物な感じはした。

 原作に無い「休戦交渉で板挟みになるドイツ側の良心的政治家」が出てきて、これはかえってレマルクのメッセージを単純化してしまったとの批判があるようだが、まあどうなんでしょう。個人的にはそんなに嫌とかはない。あとドイツ映画はこういう分かりやすくメッセージ性を背負ったキャラクターを出したがるのかな?以前「バーダー・マインホフ 理想の果てに」を観た時も、ブルーノ・ガンツが似たような人物を演じてた気がする。
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