このレビューはネタバレを含みます
勇敢で、高潔で、皆を導いていく漢気ある英雄的な兵士。
そんなモノはないのである。
過去の同名映画は未視聴です。
◆簡潔レビュー
悲壮感と無力感、やるせない感情が襲ってくるリアリティ戦争映画。
◇詳細レビュー
戦争をモチーフにした映画は数多くありますが、これほど泥臭く、悲観的で、現実を思い知らされる映画は貴重だと思います。
(あまり戦争系を観ていないだけかもしれませんが...)
戦争映画というと、主人公が英雄的な活躍を魅せるイメージがありますが今作にはそういうのは全くないです。
ただ、そういう僕らが持っている英雄的なイメージは序盤の志願兵が皆持っているイメージと同じなんだと思いますね。
「自分は敵を倒しまくり、英雄的に称賛されるような漢になって帰ってくるんだ!!」と...
そこからすぐに現実を見ることになるんですから、観てて心がえぐれていきますよ...
一人、また一人と友達を失っていく描写は辛いです。
しかも少年マンガとは違く、何かを成し遂げたり、誰かを劇的に救った結果亡くなってしまう...とかじゃないんです。
皆、無念の内に亡くなってるんです。
この映画の面白い所として、中盤まで"敵"の姿がほとんど出てきません。
これは主人公達と同じ視点で観ている表現だと思いますが、"敵"は"敵"であって同じ人間では無いという感覚に陥るんです。
それが中盤で、"敵"が自分と同じただの人間だと気づくシーンは観てるコッチ側も心がエグれて行きます...
第一次世界大戦ということで戦車や火炎放射機が出てくるんですが、これらの映像表現は抜群に恐怖感がありましたよ
一般の歩兵から見たらあんなにも恐ろしいモノなのかと...
映像表現や感情表現はとてもうまいです
観てて感情がかなり揺さぶられるので、かなり感情移入してしまいます
ストーリー構成は、ちょっとわかりにくいかなと言った印象です。
序盤~中盤までは、正直どういう目的で話が進んでいるのかが理解しづらかったです。
見ごたえはかなりありますね。
戦争について考えさせられる映画です。
語り継がれる理由がわかりますね...