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西部戦線異状なしのhawaianCTのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.8
転換に不気味に流れる重低音の音楽は、子供の頃初めて死を感じた事を思い出させます

膠着した最前線は勇敢に戦うイメージがありますが、武器・人員に差が無い場合、地道な人員の削り合いをする所です。
つまりどれだけ肉の壁を用意出来るかです。
ロシア・アメリカが強かったのは肉の壁を削っても削っても用意できたからです。

最前線ということは肉の壁要員。即死刑みたいなものです。意気揚々と戦場に赴いた新兵は長い行進に疲れたあと、死ぬために来た事を強烈に気づくのです。

それが戦争です。今戦争があるという事は今この瞬間肉の壁が削られているのです。

一方とても美しい映画でした
それは酷い最前線であっても素晴らしい映像でした。
特に好きなシーンは、卵を抱いて歩く姿です。とても平和で、雪に隠れつつある風景の中、痩せて汚れた二人。とても美しい絵の中にいるようでした
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