マーティンルイス

西部戦線異状なしのマーティンルイスのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.3
命を奪い奪われる絶望が何度も訪れ、その瞬間が脳裏に焼きつく映画。

多くの仲間たちが消え、殺し合っている相手も同じ人間だと気付く瞬間には言葉を失う。また、静と動のメリハリが強調する、命を犠牲にする者とさせる者の差異の描写には思わず怒りが込み上げる。人間が人間に消費される惨状は心に来るものがある。
今作を通して、戦没者の犠牲の上に平和があるという考えは、ある意味で彼らへの冒涜にも思えた。もっと生きたかったであろう人生を道半ばで終えた者たちに悔恨と謝意を持ち、戦争を二度と繰り返さぬよう生きることが我々に与えられた責務である。

絶望と恐怖に満ちた戦争を描いた、映像史に残る一作。
マーティンルイス

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