あいこ

西部戦線異状なしのあいこのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.0
講義での紹介に背中を押されて鑑賞
この作品をまぶたの裏によみがえらせた時に真っ先に浮かぶのは 不気味さを感じるほどの静けさを湛えたシーンの数々で、それはどこか冷たさを感じる自然風景であり、淡々とチェスの駒を進めゆく彼らの汚れていない指先であり、ただ前へと足を進めるしかない兵士たちのまなざしであり、そして差し込む光が残酷なまでに美しいラストシーンであり、それらの沈黙は映像にすべてを物語らせ だからこそすべてがわたしの網膜に強く焼き付いて離れない
激戦をくぐり抜ける描写はただ呆然と息を飲むほどで、だからこそ今作に引けを取らないプライベート・ライアンの冒頭20分は本当に衝撃だと改めて感じた

これがまだWW1の出来事であり ドイツがナチズムとともにWW2への道を歩みゆくのはこれからであるということに愕然としてしまう、これ程までに甚大な被害を出し圧倒的に不利な条約を突きつけられたにも関わらずどうしてと思ってしまうけれど、だからこそなのだろうな ヒトラーの完全に閉じていてそれゆえに強靭な理論と言葉に人々が傾倒してしまう背景を垣間見たような心持ち
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