このレビューはネタバレを含みます
映画好きではあるが、映画通ではないので、スピルバーグ氏自身のことは、とんと知らない。
しかして本自伝的映画を通して見るに、なるほど、ここまでヒット作しか産まないのも頷けた。
身の内に巣食う化け物から鎌首をもたげている様子はその経歴、作品の数や質を持ってして証明している。
母親はとても褒められたものではないが、己が唯一性を保つのだとしたら、あの選択は仕方ないものなのだろう。
『現実と映画は違う』
当たり前だけれど、何か感じ入るものがあった。
あのいじめっ子青年は、歪んだものとはいえ自負と信念があったのだろう、無論主人公のサムにも。
だからあの永遠の友情にも似た決別のシーンは最高だった、お互い中指を立てるシーンが握手に見えた。
全体を通して、台詞ではなく映像で語るというのはこういうことか、と腑に落ちるような演出が光るのはさすがとしか言えない。
ps.文学的な面白さが随所にあった