シャオルデス

フェイブルマンズのシャオルデスのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
4.0
子供の頃から映画好きの父の影響で、なんとなく物心ついたころから自然と映画が好きでした。初めて「ジョーズ」をみたときは衝撃的すぎて怖くて海に入れなくなったくらい。いろいろ映画をみているけどスピルバーグ監督は言わずと知れたハリウッドはもちろん、世界の映画界における巨匠の中の巨匠のひとり。きっと映画愛に溢れる温かい物語なのかなと想像していたけど、少し違っていました。

「エンドロールのつづき」や「エンパイア・オブ・ライト」とは違って、もっとシリアスで、創造の源泉だけではなく、人間としての深層が描かれていると思う。
私の大好きな「ET」もなんとなく物悲しい雰囲気が漂っていたりするのもなんとなく納得できたり、私の知らなかった監督のバックボーンを知ってもう一度見直したいと思った映画がいくつもありました。

ミシェル・ウィリアムズ演じる母の表情や、少年サミーの葛藤によりすこし辛すぎる悲しい気持ちにもなりましたが、素晴らしい作品だと思います。

デヴィッド・リンチが「水平線の位置は上でも下でもいいが、真ん中だと死ぬほど退屈だ!さっさと俺の部屋から出ていけ!」と叫んだ名セリフのあと、サミーが外を軽快に歩き、カメラのアングルがアドバイス通りに直される!おー!っと思いました。

音楽も素晴らしかったです。ジョン・ウィリアムズさんの音楽。「シンドラーのリスト」の音楽は特に好きで、あーこの人の音楽なんだとあの感動を再認識しました。

「すべての出来事には意味がある」、ミッツィがサミーに語りかけたこのメッセージ。いつも映画は、私の心にグッとくる言葉をくれます。