スティーヴン・スピルバーグの自伝的作品。
堅物ではあるが実直で凝り性のエンジニアである父と奔放かつ柔軟で芸術的素養を持つ母の元で育てられ、だからこそああなっていくのだという過程が描かれていて興味深い。
幼少期から映画に耽溺し、初期衝動に赴くままに映画を製作していくフェイブルマンの様が愛おしくてたまらない。
成長して行く過程での両親の軋轢、一つの道を志すが故の周りとの馴染めなさや苦悩が物語の核となり、何者でもなかったスピルバーグの青年期を垣間見ることが出来る。
プロムのシークエンス、デヴィッド・リンチのあの起用やラスト含め味わい深き傑作。