このレビューはネタバレを含みます
列車と車の衝突事故!クラッシュ!!
初めての映画で目撃したのは、彼が後世ずっとなんども試みた胸踊るシチュエーション!クラッシュシーン!!「激突」から始まる「スーパーエイト」である
大好きな場面とのファーストコンタクトを与えてくれたのは、他でもない「父!」と「母!」
アプローチこそ違う、この両親の誘いに
すっかり活劇・映写のトリコになった少年
その後の「竜巻」も然り。
「牛」こそ空中を横切りはしなかったが、暴風雨のなか竜巻を追いかける母のクルマの後部座席で、スピルバーグ少年の興奮たるや、いかほどであっただろう。
そして…カメラを覗き、日常と非日常を切り取ったとき
半ば強制的に覗いたフィルター越しの日常は、決して望ましいものではなく
そんな見たくない景色にカメラを向けてしまったことで気付いてしまった多面性
撮ることによりカタチとして表出してしまった人生の怖さ
心に鮮明に残り続けるもの
スピルバーグが子ども時代に味わったパーソナルな経験は
当時は怨んだであろう鬱々としたものだったかも知れない
だが、彼は自分のルーツを「そこ」に据える。
そして、声をからして叫ぶのだ
父も、母も、敵役も、すべての人、そのすべての事象が、いまの自分を作り上げたのだ!!…と
鍵をかけて一生開けなくってもいい…
そんな私的な日記を覗かせてくれた彼のことを
わたしは全力で尊重したい!
これこそ愛してしまう映画!
大好きなシークエンスは
高校最後のプロムの日
ロッカー前での友人の涙の告白。
彼に削ぎ落とされた。
素晴らしい学びだった。
こういう経験も真摯に映画を撮る貴重な指標になったのだろうと思うと感慨深い。
「言わないよ!」は往々にして破られることも学んでしまった^ ^
ジョン・フォードを演じた巨匠は、ハリー・ディーン・スタントン主演の「ラッキー」にも出演していた監督さん^ ^
人望厚いお人柄なのかなぁ〜激シブイ
その巨匠の言葉を受けたラストは
と〜てもと〜てもチャーミング♡
〜独り言〜
そういえば…
「ET」では、父不在のなか子ども3人を育てる母親が出てきたなぁ…
父の不実を母が涙ながらに語るシーンもあった。
いま思うと、そういうシチュエーションは、物語に言うに言われぬ情緒を与えていたように思える。
カタチこそ少しずつ違うけれど、考えると色んなスピルバーグ映画の家族のカタチがそうであったような気がするなぁ
そして、はたと気付くよ。
そこにいつもスピルバーグの優しい眼差しがあったことに…^ ^