このレビューはネタバレを含みます
2D/字幕
エブエブの反動でカタい作りのものを鑑賞したつもりが、違う意味でヘンな映画だった。
ザ・映画讃歌みたいなテーマかと思いきや、撮ることへの加虐性を、よりによって自伝的作品でやり切るスピルバーグがすげえ。もう我々凡人の数周先を走ってるんだろうな。
入れ子構造というか無限ループというか、「かつてのスピルバーグが撮った映像を撮る様子を再現したスピルバーグを撮っているのは今のスピルバーグで…」みたいな、初めてのめちゃくちゃ不思議な感覚にも襲われた。プロム後のシーンなんか、セリフといいライティングといいあまりにも"映画"すぎて、カメラの後ろからスピルバーグが「カット!OK!」って入ってきたらどうしようかとビビってた。
…そんな中でラストカットがアレですよ。「ほらやっぱり!そこにいるじゃん!」ってなった。
「地平線」のくだり、人生の浮き沈みを丸ごと肯定してくれているよう(個人的解釈)でなんだか刺さりまくったな。今年イチのパンチライン確定。