高井戸三郎

フェイブルマンズの高井戸三郎のネタバレレビュー・内容・結末

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

人は、顔に興味がある。
顔を見ずにはいられない。
それが大スクリーンに映った巨大な人の顔ならば、なお良い。

激突・爆発・人死など、映画でなければ、あるいは、映画でこそ経験しうるものの擬装/再現と、ごくごく私的な経験の記録が並行/対立して語られているのだけれど、その果てに、人を被写体にすることの暴力性への自覚と、(人に対して)水平線をどこに置くか、つまり、現実とはある程度切り離された、画面の中にしかない風景=世界の構築の志向へと至る。
カメラを動かしてサミーと水平線の位置を整えているのがスピルバーグと思うと、エッシャーの描く手を見たような感慨を覚える。
高井戸三郎

高井戸三郎