──地平線は……。
キャラが濃い。
彼をいちばん振り回した母親も、寡黙で冷静なようでいて深い苦悩を抱えた父親も、狂った導師のような祖母の兄も、キリストファンの恋人も、いきなり哲学的になるクラスのスポーツマンも、サミーを悩ませながら今の場所へ導いていたんだとわかる。
ベースは自伝でも、台詞や演出でフィクションがたびたび顔を出すのが良い。
戦争映画は撮影から上映まで楽しかった。
家族とか現実そのものとか、ままならないものをままならないままに物語に落とし込んでいて、画面のエモさの向こうにそれぞれの人の葛藤が透けていて良かった。
ラストカットにもついにやけてしまったし、久しぶりにもう少しだけ見ていたい映画だった。