Ginny

フェイブルマンズのGinnyのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
2.0
スピルバーグ、お前は島崎藤村か?!と気になって没入できなかった。

映画は見るタイミングで感じ方が大きく左右されると思うのですが最近は刺激的で新しい楽しさをくれる映画、心を揺さぶりまくる映画をよく見ていたので今作は物足りなく感じてしまいました。
酷評したバビロンの方が刺激の点ではマシなのではと思うくらい保守的に思えました。

どこまでが本当なのか、わからないのですが、母親のあの話を要素と入れるのは結構冒険的だと思うのですがあれが単なるドラマ的要素で終わってるのが私には物足りませんでした。
身内の隠しておきたいあれやこれやも撮っちゃう、これが映画人のカルマ、エゴ、麻薬!とかそういう風に振り切れるのを期待してしまっていた。

サミーフェイブルマンの子役は2人(で良いのかな?)ともスピルバーグの目元の雰囲気が出ていてナイスキャスティングだなと。
青年期はちょっとダニエルラドクリフ感もあり、彼もユダヤ系なので似るのかな?なんて、これは暴論かな。

両親のキャスティングが私にはしっくりきませんでした。
ミシェルウィリアムズとポールダノだと私にはまだキャリアの差が感じられてポールダノが弱く見えてしまいます。
そしてミシェルウィリアムズも、演技は上手だとわかってはいるのですがその演技の発散どころがこの役で良かったのか?モヤモヤしました。
キーパーソンなのかと思うのですが、この人物への不快感が拭えないまま作品全体を掴めずモヤモヤが残った次第です。
ミシェルウィリアムズには、振り回す方より『グレイテスト・ショーマン』みたいな役の方が合うんじゃないかなと私は思います。

ジャド・ハーシュが出てきて、サミーと交わした会話はワクワクしたけれど現実はそうドラマチックじゃないのかな。
脚色しすぎないという点を褒めるのか、物足りなく感じるかは人それぞれかと思うし作品の温度感によっても違うと思うけれど、私はいじくりまわして誇張して伝えるのが好きなのでこんなに真面目で愚直じゃなくても、と思ってしまう。が、これはスピルバーグが半自伝的に自分で語りたかったというわけなのでどう見られるかではなく、どう語りたいか、なのかな。

疑問なのはなんでそんなに評価されてるのか。忖度してないか?とか思ってしまう。
最近多い映画人の半自伝的のムーブ。大体誉めそやされてるけれど、ほんと?ほんと?功労賞みたいになってない?と思ってしまいました。

青年期のサミー、マリウス葉っぽさを感じた。
あとBGM、なんかクラシック音楽とか他のものに似ている気がして気が散ってしまった。
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