巨匠スティーヴン・スピルバーグの幼少期から青年期の出来事をモデルにした自伝的作品。
スピルバーグといえば、「ジョーズ」や「ジュラシック・パーク」のようなエンタメ映画のイメージですが、「プライベート・ライアン」のような戦争映画や硬派な映画もたくさん撮っていて作風の幅が広いんですよね。
子供の頃から汽車の模型を壊してカメラにおさめて遊んでいたり、学生時代に戦争映画を撮っていたり、やはりなるべくして映画の世界に入ったんだなと思いました。
中盤以降はいじめの話だったり両親の離婚の話があったりで暗い展開が続くので、わかりやすいカタルシスが無いのが残念なところ。
ストーリーも結構淡々としていてあまり盛り上がりどころも無いので、正直スピルバーグの自伝という前情報が無ければ見ていなかったかも…。
ただ淡々とした物語の中にもところどころ監督の創作論みたいなものが垣間見えて、
母親の浮気シーンをカットして幸せな家庭そのものに見えるホームムービーを作ったり、プロムで流す映像でいじめっ子がめちゃくちゃかっこよく演出されたりとか。
編集の力によってスクリーンでは現実と異なる世界を信じさせることができるというか。
やっぱり娯楽を生み出す人間というのは人生が満たされていなかったり欠落していないといけないんだろうか、なんてことを考えました。