だれかさん11

フェイブルマンズのだれかさん11のネタバレレビュー・内容・結末

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

なんていうか映画を見て不安になった。笑
主人公が母の秘密を知るくだりが悲しすぎる。
どうかあのフィルムが実存しませんように。あんな物をまさか今も持っていたりしませんようにと祈ってしまう。
そのフィルムをみている母の表情ももう地獄だった。自業自得なんだけど。

家族のこれからを話合いながら、父も母も妹達も皆感情的になっている。そんな中主人公は、鏡の中にその様子をカメラに収める自分を見る。
自己嫌悪を感じるだろうけど、それでもどう撮るか考えるのを止められないのかもしれない。ここリアルで好きだった。

いじめっ子のローガンとある秘密を持つシーンもいい。
映画がもつ力(良くも悪くも虚像を作り出せる)によってお互いの気持ちをぶつけ合い、親しくはならないけど尊重できる関係に辿り着く。
あと、ここ実話かな? 映画にしちゃったら秘密じゃなくなる。笑
スピルバーグが、「ごめんね。バラしちゃったけどもう時効だよね」って言ってそうで笑った。
ラストのカメラの動きも、スピルバーグのお茶目な感じがして最高に良かった。



ここのところ、作り手の映画に対しての想いを感じるような作品をいくつか見たので、そういったのかと思ったけどちょっと違っていた。
映画に対するとかじゃなく、映画も含めてスピルバーグその人の為の映画だった。

そして、この映画を見て色々思い出した。
子供の頃、たくさん楽しかったり怖い思いをさせてくれてありがとう。
その頃があるからか、今でも映画から離れられない。好きな映画なんて、セリフを覚えてしまうくらい何度も見てしまう。きっとそんな人は私だけではないはず。笑

スピルバーグへ感謝を込めて。