ロアー

フェイブルマンズのロアーのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.8
⁡”映画愛”と言うテーマで考えると、どうしても先月観たチャゼル監督の「バビロン」を思い出してしまう。

あちらが<狂乱・成功・挫折>なら、こっちは<青春・家族・情熱>と言ったところ?ただ、巨匠と言われているスピルバーグ監督でも、映画愛を一種の呪いのように考えていると知れたのは収穫でした。

確か「スーパー8」も監督の少年時代を反映させた映画だった筈。サムが友達や妹たちと自作映画を撮影する様子にはワクワクしたし、成長するにつれて映画もどんどん本格的になっていくその才能の凄さにも感嘆しました。

映画に魅せられる気持ちって、映画を作る側だけでなく映画を愛する人全てが理解できると思うんですよね。正に映画がなければ生きていけない、そんな感覚。

その”映画”をキッカケに家族の問題に気づいてしまうのがあまりに辛過ぎて、、、「え、どんだけ曇らせかよ!?」って思わず泣きました。
子ども組はもちろんのこと、大人組の配役が見事に見事過ぎた気がする。ミシェル・ウィリアムズのあの目がね、もう目を見るだけで分かっちゃうんだもん。
ポール・ダノも絶妙過ぎるぴったりな役だな〜って思ったんだけど、サイコな役の時もぴったりだな〜って思ったし、多分ポール・ダノ自体が演技上手いんだろうな(今更気づいたのか)。

共感して辛くなってしまうシーンもたくさんあったけど、人との出会いや家族の形、映画への情熱、全て含めてほろ苦い青春を追体験できる映画でした。
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