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フェイブルマンズのOMUのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.8
子供のころから空想が得意だった主人公は、映画を見て以来映画づくりのとりこになる。けれど成長していくに従って、環境の変化、人間関係の変化、新しい出会い、別れ…に翻弄されていく。
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面白かったのだけど、すごくよかったのだけど、
感想書くのが難しく…。

スピルバーグの自伝的映画で、音楽も、映像もすばらしく…ラストなんかはとくに可愛くて、写真を撮る時つい思い出してしまう。

けれど、「物語」というよりは誰かのちょっとした思い出の中身を見せられているような感覚で、ずっと居心地は悪かった。
(そもそも両親のいざこざ系が私が得意じゃないのもある)
なんというか、これをもし若手監督が作っていたら、果たしてここまで評価されたんだろうか…笑

それでも私がこの映画を見てよかったなあーと思えたのは、後半の同級生とのプロムでの会話かもしれない。
人間は長く一緒にいたとしてもわかりえはしないのに(たとえば主人公の父、母のように)、嫌いな同級生の心のうちなんてわかりっこないですよね。

言葉にしてわかることってのがあまりにも多いこと、それから映像のもつ魔力と暴力性、それをまた「映画」として残しているということ…
これらをどう完結に言葉でまとめていいのかわからないのだけど、
あのシーンが持つ複雑さとじっくりとした重みに
どすんと殴られたような気持ちになりました。

あとスコセッシのアイリッシュマン見た時と少し感触が近いなあと。
自身の特級の技術で好き放題作った映画、
というのが私の最終的な感想かもしれないです。
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