おなべ

フェイブルマンズのおなべのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.7
◉芸術と家族。

◉映画史に名を刻む《スティーブン・スピルバーグ》監督の原体験にして原点。監督自身の少年時代〜青年期までの半生を描いた自伝映画。《スピルバーグ》監督を《スピルバーグ》監督たらしめる理由がここにあった。

◉見どころは…割愛。あらすじも割愛。《スピルバーグ》監督の原点を知れる貴重な作品なので、映画好きな人は観て損はないかと…。













【以下ネタバレ含む】













◉映画には、夢溢れるフィクションを紡ぎ出す事も、残酷な真実を映し出す事もできる。科学的で現実的な側面と、夢を紡ぐ側面。家族や両親の影響を受けて、監督自身の映画人生を形作ったとは知らなんだ。

◉お気に入りはプロムのシーン。いじめっ子との関係性が複雑で良かった。死ぬほど嫌いだけど、フィルムの中では輝いて見える。片や、ムカつく存在だけど、フィルムを通じて不思議と周りの自分を観る目が変わる。映画の魅力にアプローチしながら、お互いに嫌い者同士のカテゴライズできない特殊な友情が垣間見え、その素敵な関係性にグッときた。

◉終わり方!地平線、敢えてわざとらしいものの、粋でお洒落な演出。《デヴィッド・リンチ》監督扮する《ジョン・フォード》監督の存在感半端ないって!

◉イエスキリストが見下ろしている場所で致す構図が笑えた。
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