さいきん邦画のクソ駄作ばかり観ていた(駄作は駄作なりに学ぶところがあると思い)ので、ひさびさに紛れもない傑作に触れた。
古今、映画監督が「映画」そのものを撮った映画はたくさんある。フェリーニ「8 1/2」、トリュフォー「アメリカの夜」、ヴェンダース「ことの次第」、ティム・バートン「エド・ウッド」などなど。
本作もそうした系譜に連なる映画。スピルバーグがスピルバーグになるまでの話。映画の秘密、ものを作ることに取り憑かれることの孤独と寂寥と責任。
親戚の鼻つまみ者だが予言的な言葉をのこすボリスおじさん、ラストに登場する伝説的な監督ジョン・フォードなど、印象的な登場人物が多い。