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フェイブルマンズのyunのネタバレレビュー・内容・結末

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

子ども時代の経験、そして家族の存在や在り方が良くも悪くも人生に大いに影響する。

一番印象的なのは、母親。自由奔放で天真爛漫。少女のような印象でありながら、ひどく不安定。いつでも自分を一番に考え傍で楽しませてくれる人がいないと、精神が崩れるような儚さがある。芸術家は、このようなタイプも少なくないだろう。
父親は、非常に頭が良く、自分の探究する分野において成功する。努力型というより天才肌。人間関係には不器用なところがあり、感情的にはならない。妻を愛しているが、離婚となる時も感情は出さない。

そんな両親に育てられたスピルバーグ。引き継いだ血と生育環境どちらも合わさり、映画監督スピルバーグが生まれたんだと思うと、なんだか面白い縁だと思った。

芸術は呪い、みたいなことをおじいさんが言っていたが、何となく理解できた。両親が離婚を発表し妹達が悲しみの声を上げ、自分も当事者のはずなのに、頭の中ではカメラを回し続けているのだ。

自分の気持ちに嘘をついて生活していると、身体に現れてしまう。自分も気をつけようと思う。誰もが素直な気持ちで生活できたら良いだろう。

ラスト、地平線を慌てて合わせて終わるカットがなんだか微笑ましく、この後のスピルバーグの事を思うとワクワクした。
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