しゅうへい

ハリガン氏の電話のしゅうへいのネタバレレビュー・内容・結末

ハリガン氏の電話(2022年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

大富豪の老人ハリガンに本を読み聞かせを頼まれた少年クレイグ。屋敷に通い続けるうちに2人は強い友情で結ばれていた。やがて老人は天寿を全うするが、別れ際の棺桶にスマホを入れたことでクレイグの身に不可思議な出来事が巻き起こる。

「ホラーの帝王」スティーヴン・キング原作の短編小説『If it Bleeds』に基づくホラー作品。ただこれがホラーと呼べるかどうかは人によりけり。ヒューマンドラマ要素が大半を占めてる。印象としては『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』を薄めたような内容。「友情に年齢は関係ないこと」「読書は人生を豊かにすること」「富裕層と仲良くしておけば…」今作で学べたのはこれくらい。

前半はハートフルな話だったのに後半からホラーチックな不思議な話…?とはいえホラー要素は少ないし、青春物語としても薄い。亡くなったはずのハリガンのスマホから度々メッセージが…もしかしてケニーの死も彼が関係してる?恐がるのは無理もないけど、亡き友人を死神として利用するんじゃないよ少年。ハリガンは老衰で亡くなったんだよ。人の死にいつまでも固執してないで今を生きろ少年。お前は夜神月か!

ハリガンの生前の悪評や前庭師の不可解な自殺、レッドデビルのくじ、そして「敵はすぐに消せ」という忠告。クレイグ視点の良き友人ハリガンばかり見てしまうが、実際彼が恐ろしい人物だという描写はいくつもあった。最期まで良くしてくれたクレイグには遺産相続、そして死後クレイグの悪なる願いを叶えていた。鑑賞後にジワジワ怖さが来たが、これは名作になり損ねた惜しい作品。
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