エイデン

マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイトのエイデンのレビュー・感想・評価

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世間に知られたヒーローがいない闇の世界
そこには人知れず存在する“怪物(モンスター)”と、彼らを倒す“狩人(ハンター)”が存在していた
そして現在 数々のモンスターを倒してきた最強の石“ブラッドストーン”を持つブラッドストーン家の家長ユリシーズが死去
ブラッドストーンは新たな持ち主を探し求めていた
そしてある夜 ブラッドストーン家の屋敷でユリシーズの告別式が行われ、世界中から腕利きの狩人が集まる
その目的は、ブラッドストーンを継ぐ者を狩りの儀式で決めるためだった
そんな中 不思議な雰囲気を持った若い狩人ジャック・ラッセルや、怪物を殺す家業を嫌い疎遠になっていたユリシーズの娘エルサも会場を訪れる
狩人のグループを取り仕切るユリシーズの妻ヴェルッサは、家を捨てたエルサを厳しく糾弾するのだった
しばらくしてジャックとエルサ、ビリー、リンダ、ジョヴァン、サイモンら6人の狩人が席へと着くと、自らの遺体を使ったユリシーズの遺言が披露される
ユリシーズは、実力を兼ね備えた狩人を儀式によってブラッドストーンの継承者とし、同時に狩人の指導者となることを目的としていた
そのため屋敷の庭を舞台に、ある怪物を庭中に隠された武器で仕留めた狩人をブラッドストーンの継承者に選ぶと言う
ブラッドストーンは怪物に取り付けられており、全ての者が狩人であり獲物となると警告するのだった
そして始まった儀式の中だったが、欲に目が眩んだ狩人達は互いに殺し合いを始めていき、やがて怪物がその姿を現す



マーベル・シネマティック・ユニバースシリーズ初のインターネットテレビスペシャル

モノクロの世界観で雰囲気はまさしく古典ホラー
マーベルと言えばヒーロー映画という中で、ヒーロー不在の闇の世界を舞台に新ジャンルの開拓を行ったような作品かな

キーキャラクターとして、タイトルロールのウェアウルフ・バイ・ナイトのほか、モンスターハンターであるエルサ・ブラッドストーン、怪物マン・シングも登場
これまで語られてこなかった、正史におけるモンスターの存在と、それを狩ることを使命とした狩人の存在が語られている
特にモンスターに関しては、今後のMCUの展開にも関わると明言されてるので注目した方が良い
原作だとウェアウルフ・バイ・ナイトが初登場した回の主人公“ムーンナイト”(ドラマ化済み)や、この手のキャラと組みがちな吸血鬼ハンター “ブレイド”のMCU版リブート辺りも絡むかも

不穏な音楽に怪しげな雰囲気と、前述の通り個人的に好きな古典ホラー風なんだけど、それに対して愛嬌のあるキャラクター、ちょっとバイオレンスみのあるアクションなども交え、約1時間の中でテンポよく展開する物語となっているのも良い
ついでに言うとMCUからも一種独立したように本筋のヒーロー達の物語とは切り離されているようで、知識が無くても十分観られる

ストーリーや雰囲気、そしてヒーロー不在の物語と、MCUのシリーズからかなり逸脱しながらも、その新しさで魅了してくれる作品
相変わらずこんなアプローチもできるのかと感心してしまったけど、やっぱりファンとしては他作品とのクロスオーバーも期待してしまうかな
初めてのテレビスペシャル映画としては最高の部類だと思うので、MCUにはこの調子で更に暴れ回ってほしい
エイデン

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