サマセット7

マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイトのサマセット7のレビュー・感想・評価

3.3
MCUはフェイズ4から映画に加えてドラマシリーズも多数作られているが、今作は、54分一本完結の配信ショートムービーという変わり種。
さらに今作は、ゴシック・ホラー、中でもユニバーサルスタジオによるユニバーサル・モンスターズ作品群にオマージュを捧げた、モンスタームービーである。
MCUはあらゆるジャンルとアメコミスーパーヒーローをミックスさせんとしているが、今作もその一環であろう。

モノクロ映像、ゴシック風キャラクターデザイン、意図的なフィルム質感、サウンドデザインなどなど、雰囲気作りに力が入っている。

肝心の中身は、伝説的モンスターハンターの屋敷に集められたハンターたちが、伝説のアイテムを獲得すべく、モンスター狩りとハンター同士の殺し合いに興じる、といういわゆるデスゲームもの。
山田風太郎の忍法帖やバトルロワイヤルを例に出すまでもなく、この手のデスゲームものは参加プレイヤーのキャラ立ちが何より大事だが、今作のプレイヤーたちは主要キャラクター以外はかなり薄味。
キャラクターの描写よりもアクションに力が入ったバランスで、個人的には残念であった。

さりとて、何らかの明確なテーマ性やメッセージ性があるでもなく、作品としては、ドラマのイントロダクション、キャラクターの顔見せ、という印象。

全体として、ゴシックホラーな雰囲気を楽しむ以上のものは感じられなかった。
また新たなキャラクターが出てきたわけだが、最近のMCUの放埒な風呂敷の広げっぷりは、後で回収する目処があるのか、心配になる。