ハンスウ

その道の向こうにのハンスウのレビュー・感想・評価

その道の向こうに(2022年製作の映画)
3.8
アップルTVです。日本では劇場公開はされてないのかな? アメリカではA24が配給で公開されたそうです。その後、アップルオリジナルとして配信されてます。

大スターのジェニファー・ローレンスが出演しているけどいかにも低予算で地味な映画。短編小説のような小品といったところです。また、主人公はアフガニスタンで大きな被害を受けた帰還兵という設定から、一つのアメリカの側面を切り取った作品と言えそうです。

ジェニファー・ローレンス帰還兵と、事故による障害を抱えた自動車修理工の交流が描かれますけど、帰還兵の再生の物語というより、人が生きていく上でコミュニケーションがいかに大切かっていうことを静かに語っているような感じがしました。静かに静かに映画が語られます。また職務に戻ろうとする自身の葛藤と、気の合う自動車修理行との微妙な関係の間で距離感を間違えたりしながらも生きる道を手探りする主人公だけど、これを説得のある演技で見せてくれるジャニファーは、この若さでもはや名優の域に達していると言っても過言じゃないでしょう。いや、ちょっとホメすぎかな😌

一方の自動車修理工を演じた人、ブライアン・タイリー・ヘンリーは若い頃のフォレスト・ウィティカーを彷彿とさせる存在感。肩の力の抜けた演技で、本当にその町で暮らしてそうな人をひょうひょうと演じていてジェニファーとのコンビがうまくハマっていて見応えがありました。

俳優の力を最大限に生かした作品なので大作映画とはまた違った魅力や良さがあふれています。2人の俳優が作り上げた世界。この世界観にできるだけ長く触れていたいと思える映画でした。
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