宮沢賢治もその父も、トシのことももちろん知らなくて、でも宮沢賢治の作品やエピソードに便乗して優しい気持ちになれるものが自分の中に捏造されている。
予告を観た時からそんなものに久しぶりに触れたくて鑑賞。
今年観た作品のなかで間違いなく一番泣いてしまった…わかってはいたけど。
宮沢賢治にまつわるエピソードや作品、家族像として知っているものがとても優しく紡がれていて、それでいてあまりイメージのなかったお父さんにスポットを当てるだなんて何とも素敵な物語だった。
最愛の子どもを2人も看取る父の気持ちはどんなものなのだろう?
ものごとを見すえる才能に溢れ、人間の弱さとも対峙できる優しい物書き、そんな兄の良き理解者でもあり、兄を鼓舞したりもするか弱くも強い妹。
そんなイメージはあったけれど、父の視点に立ったこの物語はとても優しくて原作も読みたくなった。
タイトルになってるくせになかなか出てきてはくれない銀河鉄道の夜。
ラストの作品の描写と解釈は想像力に乏しい自分には初見で、とっても気持ちよく物語を回収してくれた。
二人でどこまでも旅をする。
そんな二人を見つめ感謝の言葉をたむける父の視線は、温かくも切なくてどうにも泣けた。。
しばらくしたらまた観て泣きたい 笑
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ陰ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ