Yuya

銀河鉄道の父のYuyaのレビュー・感想・評価

銀河鉄道の父(2023年製作の映画)
3.8
紛れもなく 宮沢政次郎という物語
父としての 息子との向き合い方
息子としての 父との語り合い方
偉大な家族愛に 頬が優しく濡れる

賢治の詩や物語は 弱さに満ちている
一方で それが人の心を離さないのは
誰かの為という 優しさが滲んでいる故

小学生の頃 初めて読んだ『永訣の朝』
沈みつつも 清らかな雪の朝の静けさ
確かに近づく死別 残酷に進む時間
人間の 悲しい約束の その秒速が
怖い反面 どっかしっくり納得できてしまう
不思議で 不恰好で 人間らしい視点が衝撃だった

人は その一生で どれだけの言葉を
自分以外の人の為に綴り 語れるだろう
宮沢賢治 その生涯こそ 短い一生だが
彼の生きた証は 世界中の人の心の奥に
深く刻まれ 詩や物語は生き続けるだろう
Yuya

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