氷雨水葵

銀河英雄伝説 わが征くは星の大海 4Kリマスターの氷雨水葵のレビュー・感想・評価

5.0
2022年194本目

2022年ラストムービー

◆あらすじ
はるかな未来、銀河を二分する銀河帝国軍と自由惑星同盟は激しく争っていた。

艦隊を率いイゼルローン要塞を目指していた、銀河帝国軍ラインハルト・フォン・ローエングラム(CV:堀川亮)。

不敗の魔術師と呼ばれる、自由惑星同盟のヤン・ウェンリー(CV:富山敬)。

若き二人の英雄がティアマト星域にて激突する―――。

◆感想
著・田中芳樹の原作刊行40周年ということで、4Kリマスター上映おめでとうございます!銀河の興亡をここまでロマンチックに、ドラマチックに描いたのは銀英伝以外ない。ノイエ版もいいけれど、石黒版もたまらない。長編スペースオペラ=『銀河英雄伝説』と定着させた壮大なアニメ作品。

本作を2022年ラストムービーにしたのは、60分という短い上映時間にもかかわらず、上質な、文字通り’’オペラ’’を堪能できるから。単純に銀英伝が好きという理由もあるけど。
映画館の大きなスクリーンでボレロを聴きながら、帝国軍vs自由惑星同盟の艦隊戦を観れたのは本当に嬉しい。そう、本作で観てほしいところ、というか感じてほしいところは、旧東ドイツ・シャルプラッテンによるクラシックの名演を使用した劇中音楽!!激しい艦隊戦にもかかわらず、バックでクラシックが流れることで、ただただ美しくなる。

そして、その中心にいるのが、ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリー。ノイエ版でも余すところなく拝んだお二人ですが、堀川りょうさんと富山敬さんのお声(演技)が素晴らしかったです。当時若かったお二人の新鮮な演技が観られて嬉しい。そして、メインキャラ二人を支えるキャラクター、キルヒアイスは広中雅志さん、アッテンボローは井上和彦さん、ミッターマイヤーは森功至さん、ロイエンタールは若本規夫さん、という豪華声優陣。さすが “銀河【声優】伝説”ですね(笑)ノイエ版ではロイエンタールが最推しなのですが、なるほど石黒版でもロイエンタールは素敵な方だった(恍惚)。にしても、ノイエ版に劣らないくらい距離が近いねミッターマイヤー、ロイエンタールよ。まぁ、ラインハルト&キルヒアイスほどではないが。

個人的にテンション上がったのは、ラインハルトの旗艦ブリュンヒルトのお姿を、これでもかと拝めたところ。キルヒアイスの旗艦バルバロッサのお姿はなかったものの、やはりあの白の機体は美しい。

一方のヤン・ウェンリーはというと、不敗の魔術師なのにやる気のない感じは正しくヤンだ(笑)ユリアンの姿はなかったものの、紅茶を飲む姿やアッテンボローとの掛け合いにほっこり。ノイエ版はもちろんですが、石黒版でも苦労してるねヤン。

あと、個人的には土師孝也さん演じるメックリンガーや、塩沢兼人さん演じるオーベルシュタインがよかったです。出番が少ないにもかかわらず、いい立ち位置でした。台詞量は多くないものの、どちらもしっかり存在感あって、もはや担当声優の存在感ですね(笑)

とにかく艦隊戦を観てほしい。帝国軍、自由惑星同盟ともに美しい構図で、そのバックで流れるボレロにも耳を傾けてほしいです。壮大なスペースオペラの開幕戦、若き英雄二人が並び立つ序章はこんなにも美しい。

ただ1つ心残りなのは、’’新無憂宮コーヒー’’と’’ヤンが好きなユリアンの紅茶’’を飲み逃したことかな。あと3回観るので、これはまた来年。

1回目:12/30
2回目:2023/1/5
氷雨水葵

氷雨水葵