「きっとまだ何かある」
「親切すぎるのよ
付き合っちゃうでしょ? 元の文章に」
「98話目のあれは私よ」
「お父さん頭も変だし嫌な人だったけど
本当に私のこと好きだったんだなって思う」
「父も含めて私たちみんな呪われてる
そういう解けない自己暗示を
呪いって呼ぶんだと思う」
「翠のことどのくらい好き?」
「街を行き交う女の顔が
みんな翠に見えるくらい」
「何度も繰り返し感じてきた
何かの道具になってるような無力感」
「怖いものなんてないけどあれは別」
「あるのは暑い日差し、
それから強力な不在感」
「別の世界が欲しくなる
物語のない世界が」
「私は長くは生きないと思っていました
子供の頃からずっと
それが私の呪いでした」
「私は産んでみます
大きい声では言えませんが
殺すのはいつでもできるのです
今でなくとも」