櫻イミト

恐怖の振子の櫻イミトのレビュー・感想・評価

恐怖の振子(1961年製作の映画)
4.0
ハリウッドB級映画の帝王と呼ばれるプロデューサー、ロジャー・コーマンの監督代表作。60年代イタリアンゴシックホラーの多くが本作の影響下にあると言われるホラー史上屈指の重要作。黒沢清監督のホラー映画オールタイムベスト10の一本。レンタル・配信ともないのでDVD購入観賞。
物語はエドガー・アラン・ポーの様々な小説を組み合わせたもの(日本で言えば江戸川乱歩「恐怖奇形人間」のようなものか)。舞台は16世紀スペインの断崖の古城。ここに嫁いだ妹の死の真相を探りに兄がやってくる。次々に明らかになる新事実!先代の城主が悪名高い異端審問官だったこと、城の地下奥深くには拷問部屋があること。そして、妹はそこで誤って「鉄の処女」に入ってしまい死んだと城主は語るのだが・・・それはまだ恐ろしい秘密の糸口にすぎなかった。
ゴシックホラーの定番要素にグランギニョール的ないかがわしさも加わって、最後には大仕掛けの見せ場が待っている。絵面も面白く因縁ストーリーも良く出来た大好物の一本だった。
※城主を演じるのは監督の前作でポーシリーズ第1弾「アッシャー家の悲劇」のヴィンセント・プライス
※妹を演ずるのは前年のマリオ・バーヴァ監督イタリアンホラー「血ぬられた墓標」で一躍有名になったバーバラ・スティール。
櫻イミト

櫻イミト