【第21回アカデミー賞 録音賞受賞】
オリヴィア・デ・ハヴィランド主演の心理スリラー。監督は『追想』『さよならをもう一度』などのロシア人監督、アナトール・リトヴァク。アカデミー賞では作品賞、主演女優賞など6部門にノミネートされた。
「蛇の穴」とは終盤ヒロインが収容される精神病院の凶暴患者たちの部屋のこと。
オリヴィア・デ・ハヴィランドは『謎の佳人レイチェル』での長い美しい黒髪の謎めいた美人というイメージで、本作もそうではある。ただそのイメージを逆手にとって謎の部分を膨らませた感じ。
ロシア人監督ならではのアーティスティックな画面作りやカメラワークをしつつも、オリヴィア・デ・ハヴィランドのアップを多用し演技も捉えてみせた。
物語としても捻りがあって面白いし、精神病院という名の牢獄への批判的見返しにもなっている。
婦長といい、喋らない凶暴な女性とか、『カッコーの巣の上で』をなんとなく思い出す。