ネノメタル

ジョン・レノン 音楽で世界を変えた男の真実のネノメタルのレビュー・感想・評価

3.8
「John Lennonの生い立ちからポールとの出会い辺りまでを中心にしたドキュメンタリー映画」と聞いて母を事故で失ったなどの不遇の少年期を経て、やがてロックンロールなどの音楽に目覚め、クオリーメンなるバンドを結成してやがてポールやジョージらと出会ってビートルズを結成からのブレイクを経て全米進出....みたいなロック史に残るロックスターのサクセスストーリーを想像していたが根底を覆された。
授業中でも奇声をあげて暴れ回っていたらしい少年期からバキバキに尖っていた思春期に至るジョンの姿がオブラートに包まれる事なくこれでもかってくらい暴露されるある意味衝撃的内容。しかも時代はちょっと先になるが最初の奥さんへのDV癖をもサラッと暴露される始末で、この辺りの事実をよく知らなかったので個人的に殊更に衝撃だった。
 学生時代の仲間も初期バンド、クオリーメンのメンバーも「あのジョンって子はしょうがないヤツでねえ...」みたいな当時の暴露大会になってて、まぁ死人に口無しってか、本人の弁解の余地もあろうになって感じで少し気の毒すぎて逆に笑ってしまった。
もちろんこれはレジェンダリーとなっている彼への才能へのリスペクトが裏打ちされた上での証言の数々だということは言うまでもないが...それにしてもw
でも本作を通じて分かったのはバンドが世界制覇級に大ブレイクしようが、バンドだろうが、ソロだろうが彼の表現の根底を貫いてるのは【怒り】だと言う事。
時代的にはもう少し先だけれど「アングスト」を全面に打ち出したNirvanaのカート・コバーンなどが台頭してくる訳だけどジョンこそが元祖・オルタナティブなアティテュードを持ったアーティストなのだと断言できる。
だからこそ、今もなお色褪せずにJohnの歌はどこか尖り続け、ヒリヒリと我々の心を突き刺すのだろう。
あとパンフレットにも記載されてたが本編では『ジュリア』『ストロベリー・フィールド・フォーエヴァー』などのオリジナル音源が結構使われてたがドキュメンタリーではレアな事のだと言うこと。ビートルズの曲は時期問わず我々の日常と化してるからその辺りはむしろ意外に思ったりして。
しかしビートルズ関連のドキュメンタリー映画を見るたびに「ポールは物凄く良いだった。」だの「気さくに話しかけてくれた。」だの悪く言う人が誰1人としていないんよな。
あの人ホントに良い人なんだろうなてのを実感する。
そう言う意味でポール好きな人も是非。
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