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マジック・マイク ラストダンスのumのレビュー・感想・評価

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一作目ではいかがわしいカオスなものとして描かれていた欲望が、(時代に)ふさわしく演じられ、語られなくてはならなくなった三作目。女性が自発的に欲望について語るのは素晴らしいが、わざわざ言葉にすることによって失われた彼女たちの自由もあるのではと思った。少なくとも今作には威勢がいいだけで踊らないマシュー・マコノヒーや踊りにキレのないターザンに居場所はなく、良いダンサーと過度な接触を求めない良い観客だけがそこに居られる。たしかに、最終的にショーは認可が降りないまま行われるものの、世間がストリッパーのことを認めないとかそういう理由ではなく、ヒロインの経済的な事情によっているのだから、法や規範との対立としてショーが機能しているわけではない。不謹慎さはなく、最終的に生真面目な異性愛に奉仕させられるダンス。それはそれである種のラブコメとしては楽しめるのだけれど。
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