ろく

PARTY7のろくのレビュー・感想・評価

PARTY7(2000年製作の映画)
1.8
あ、これが面白くてスタイリッシュな時代があったんだなぁと思いなるほどって感じですよ。

そもそも「面白い」ってのは絶対的なのかな。それは個人差があるから違うんだけど、それとともに時代の違いってのもあるんでないかと思うんだ。だからか昔の映画は「その時代の気持ち」を感じることが不可欠になるの。例えば僕は増村保造や市川崑の映画が好きだけど、それは「その時代にいる」自分を対象化してそれで「おもしろい」と感じているの。つまり鳥瞰の目が必要で。そうでないと「なんだこの古臭い映画は」ってなるの。

で、この映画。ああ、2000年くらいはこれが「スタイリッシュ」で「面白い」なんだ。でも今見てみな。ギャグを上滑りしてトークも意味不明。これが現在の映画なら確実に「つまらない」。問題そこの時間差で。僕自身、1970年代の映画は鳥瞰で見たり、見ている僕を対象化したりすることで「面白い」をいろんな角度に増幅することが出来る。でもこの映画は2000年だ。残念なことに「ついこの間」に感じてしまい、鳥瞰もしなければ対象化もしない。だからこの映画は「面白くない」になってしまう。

最後のオチなんかもうどんなコントだよと思ってしまう。これを見た自分にイラついてしまうけど、それは僕がこの時代を「対象化」できていないからだろう。それには20年は短すぎるのかも。でも今の若い人が見たら少しは対象化できるかもしれない。長瀬を浅尾を我修院を。そして「昔はこんな映画もあったんだ」って思い「面白い」を見つけるはず。それは若い人にとって20年は結構な「昔」だからだ。そこに齟齬が生じる。この映画を語る齟齬が。

先日youtubeでダウンタウンのコントを見た。これが吃驚するほど面白くない。「面白い」は時代とともに作られてくる。そしてそれが再び「面白い」になるためにはある種の「醸成」が必要なのかもしれない。
ろく

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