だい

aftersun/アフターサンのだいのネタバレレビュー・内容・結末

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

どこか悲しみを抱える父と大人になりたい娘の一夏の思い出。当時の父と同じ歳になり懐かしのビデオと共に記憶を巡らせ…

押入れの奥から子供の頃の宝物を見つけたような物語と劇中の色設計が良かった。

主演ポール・メスカルに負けじと輝いていた新星フランキー・コリオの今後が楽しみ!



ここからは勝手な深読み。

まず父は同性愛者であり妻と離別。そこから年一で娘と会うようになり、今回は娘と2人旅行。実は父はHIVか何かで死期が迫っており娘に会えるのも今回が最後と悟っていた。だから娘にとってはまだまだ先の大学の話なんかも、本当は聞きたかった未来を想像しながら娘に話しかける。誕生日を祝ってもらうシーンも嬉しさと悔しさで押し潰されそうになりあのなんとも言えない表情を浮かべた。

時は流れて現代ではちょうど当時の父と同じ歳になり、パートナーや子供までできた娘はやはりどこか悲しみを纏っている。マイノリティとしての生き辛さや親の気持ちが理解でき、当時の楽しかった思い出とやっと気付けた父の本心に途方に暮れる…

なんて考えると終始どこか悲しげな父の振る舞いにも納得できるし、要所要所の疑問が残ったシーンも繋がる気がする。


本作を観た人はこの余白の多い物語をどう考えたのだろうか。
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