すずき365日

aftersun/アフターサンのすずき365日のネタバレレビュー・内容・結末

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

この映画に答えはないらしい。

「焦点が定まればあとは自然と合わさってくれる」みたいなセリフをハンディビデオカムを購入した父親が言っていた。

作品の中で、ときどき焦点がぼやけたと思ったら別の対象に焦点をが当てたられるという映像があった。印象的なのは、空に浮かんだパラグライダーを見ていたと思ったら、それは水面に写ったパラグライダーで、と思ったら空を飛ぶ姿に写ったそれは、本当はプールに浮かんだ落ち葉だった。

時間の流れの中で、考えや見方が変わってくるメタファーなのかもしれない。幼少期には見えなかったもの、純粋に楽しんでいた何か。

子供の頃は、父と過ごす休暇が無邪気で楽しかった。キラキラしたプール、ビリヤードのボール、パラソルの乗ったジュース、バイクゲーム。父と同じ歳になった、自分はあの頃の父を思い返してわかることがあり抱きしめたくなる。

多くは語らないが、作中で主人公の父親はセクシャルマイノリティに苦悩していたように伺えた。よしひろまさみちさんの鑑賞後トークではその頃の英国の時代背景を伺うことができた。
なるほどなぁ〜と思うばかり。今より、ものごとが寛容でなかった時代、生きづらかったと思うし、規律や常識というものに縛られ、苦しんでいたのかもしれない。それは、まるで取りたくても取れないギプスのようにガッチガチに固めらていたんだろうか。

作中にヒントはたくさん散りばめられているが、気づいたヒントや心に残ったものを繋げて自分の感想が生まれる。

子供の頃に、(思春期の頃だろうか)
「両親の年齢いくつ?」なんて聞かれて
「38歳」って答えた記憶がやたらあって
いつの間にか還暦を超えている。
自分も、確実にあの頃の両親の年齢に近づいている。時代の風潮、立場、もろもろ異なるが、「ありがとう、大変だったよね」と思う。そんな簡単な言葉じゃ、伝わらないのはわかっている。そんな中で毎年、夏は三浦海岸、冬は草津の旅行に連れて行ってくれたことありがとう。

We know the perfect place...
PerfumeのDream fighterを聴いたりしている。もう少し先の未来には、まだ最高とは言えないかもしれないけれどその時代よりは開かれているよ。この先も
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