コーディー

aftersun/アフターサンのコーディーのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.4
トルコの陽光の下で父と娘が確かに共有した愛情と、明確ではない何か。
必ずしも理解出来るとは限らないけど、それでも近くに感じられる…そんな孤独や憂鬱と共にある親密を父娘の数日間のバカンスを通して浮かび上がらせ、湧き上がる感情が〝?〟にさえ触れさせる。傑作!

見かけは父と娘の穏やかなひと時やけど早い段階から物悲しさは漂ってるし、変則的な視点もある。そんなこちらの引っ掛かりが二人の視線とも重なり合い、間に流れる繊細な空気感で語りかけてくる…なのに触れられない歯痒さ。
そして何気ないこの時間が信じられないほど深い感情を纏い出す。凄過ぎる!

と、自分でも何が言いたいか整理できんけどw理解したいと言う切実な想いをこんなにも美しく繊細な表現で描けるのかと胸が詰まったし終盤のあるシーンで放出される感情の波を受けてもはや放心、カラムとソフィが心に浸透してくるようでした。
そして二人の時間を彩る90年代洋楽の数々も個人的に堪らん。

優しく愛情深いけど、どこか揺ら揺らしてる父親カラムを演じるポール•メスカルの存在感も素晴らしいけど、そんな父に慎重な眼差しを送り何かを見つめているソフィから目が離せない。
演技とは思えぬナチュラルさで魅せるフランキー・コリオの表情ひとつひとつが心に訴えかけてくるし、なんだこの子はw