aftersun／アフターサンのこうみ大夫のレビュー・感想・評価

もの凄く説明を排除した演出。ひと夏の、良いことも悪いことも見たような子どもの記憶。だから何だと言われれば何でもない話なんだが、あぁあの時の旅行いろいろあったけど楽しかったな、なんて思い出していた。撮影する忙しさのなかで、段取りよくやることが映画製作のように感じてしまうが、実は私たちがどうでも良いと見逃すようなことこそ、映画製作が捉える本質なのかも知れない。その辺りは三宅唱のケイコにも近く、人が人に伝えないが確かにある愛や優しさを、映像という媒体で遺そうとする時代に入っているのだろう。