このレビューはネタバレを含みます
暖かいのに淋しさと悲しみが垣間観えるような作品だった。ソフィーがおませなところも愛くるしいし、不器用が除くパパカラムの組み合わせ魅力的。映像には温もりがあり、音楽もあっていて素敵な映画。Under pressureの使い方がすごく印象的だった。
大人ソフィーが鮮明に思い出すのが11歳のパパとのバカンス、そしてソフィーを見送ったカラムが通るドア。やっぱりカラムはあの後、命を絶ってしまったのだろうな。暗闇のクラブ？は薄れゆくソフィーの中のカラムの記憶ではと考察されている方の感想をお見かけして、なるほどなと思いました。
何の説明もないけれど、何気ない会話や表情から何となく背景や人物像がわかってくるので、特にフラストレーションはなかったです。
恐らく、カラムの家庭環境はあまり良くなく、ソフィーママとは歳の差があったように思う。もしかしたら先生と生徒とかだったのかもとか。大人ソフィーと同じように、同性により心を惹かれることに、成長してから気がついたのかもしれない。ソフィーママのことは家族として大切に思ってるし、ソフィーのことも愛している。けれど、内面が成熟する前に親になったことで、葛藤やほんの少しの拒否感があるのかも。さらには、自分で自分の拒否感に絶望してしまっているのかも。
ソフィーのファミリーネームがカラムと同じだったので、別居はしてるけど離婚はしてないのかしら。ソフィーママは、カラムから家族を、なくしたくなかったのかも。電話もむしろ、カラムの方を心配していた気もする。
ソフィーに仕切りに同年代や歳下の子と触れ合うようにと言っていたのは、憧れと恋や愛の判断をつけられるようになるまで同年代と交流をして欲しかったのかななんて。
大人ソフィーは、パパと同じ年頃になり子供とパートナーを持っている。その上で、父を思い出して、子供の頃は見ないふりをしていた父の闇にも目を向けたのかもしれない。全ては理解できないだろうけれど、見えたものや共感できたところも、あったかな。
