「明日、楽しみ?」
震えるほど好きだった。
今年一番かもしれない。
ふたりぼっちの海の静けさ、夏の日差し、
浮き輪のビニールの匂い、夜の街を歩く感覚。
あの時一緒に歌ってくれなかったパパ。
ダンスが好きだったパパ。
堰を切ったようなシークエンスは
あの夏の日を手繰り寄せ
小さな違和感を拾い集めていく。
帰りの電車で思い出し泣きして
シャワーを浴びてたら涙が出てきて
あまりにも泣きすぎてしまったのは
親子の愛が絶対善で果てしなく
巨大なものだからこそ。
「愛してるよ」「忘れないで」の言葉は
全ての生を越境すると思いたい