ねね

aftersun/アフターサンのねねのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.0
ホームビデオの荒い映像が、記憶をとつとつと伝える。

子供の頃の無邪気さと、ちょっとの生意気さとが愛くるしい。
それと同時に、エネルギッシュで恐れがないソフィの様子は、眩しくて、懐かしくもなり、
戻れない過去の眩しさに、どうしようもなく寂しくもなる。

純粋に父親との再会、夏休みを楽しんでいたソフィが、あの頃の父親と同じ歳になってから思い出すビデオ映像には、大好きだった父親の姿とあの時は見えなかった父親の苦悩も見出せて、記憶はそのままだけど、過ぎ去った時の流れにほろ苦さが込み上げる。

カラムの"どこで生きてもいい。時間はある。”という言葉、ソフィだけじゃなく、カラムにも贈りたかった。
もうカラムはこの世にいないのだろうか。最後扉の向こうに出てった姿からほんのりそう思った。
ビデオ再生すればそこにカラムがいるように、大人になったソフィの心にカラムが生き続けているように思う。
ビデオに閉じ込められた記憶がすーっと蘇る素敵な映画だった。
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