花

aftersun/アフターサンの花のレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
3.8
6.23

観てる最中より、観た後の方が後を引く感じの映画 お父さんの危うさ……一瞬だけ噛み合った愛の記憶な映画なのだろうか

子役の子が男女を見る視線が繊細でよかった、あれって演技でできるものなの?子ども独特の気持ち、忘れてたもののひとつがしっかり写っていて感動した 大人の人に混ぜてもらって、ドキドキする感じ お父さんと娘が微妙にズレたところに立ちながら同じ時を過ごしてるのがとてもわかりやすくて(なんでそれがわかりやすいのかもわからない)それもよかった 最後にギリギリ同じ場所に居れた刹那なムードもある、夏がそういう死とか終わりを連想させるの不思議

ストロボの感じと、断片的な記憶の印象がリンクしてよかった、瞬間しか捉えられない感じ、よく観たいけどわからない、最後には記憶の奥の方に霞んで去ってしまう、音楽のちからをめちゃくちゃ感じる映画でもあった、音楽というか音の効果?波の音が壁を殴るみたいな音がして怖かった シーンと音楽のチグハグさ(明暗のチグハグ?)が筋書きの中に含まれない不穏さを印象付けるのかな なにがムードを構成しているのか考えながらもっかいみるといい気がする

でもほぼ自分の人生と関わりなさすぎて共感という視点では全く見ることができない映画かも 1ポンドがいくらか全くわからなくて途中それに気を取られた、あと隣の人が落ち着きなさすぎて久しぶりに行った映画館という空間になれるのにめっちゃ苦労した、息が上手く吸えてなくて途中酸欠ぽくなった もう映画館行けない コナンとかめちゃくちゃ爆発音が鳴り響くような映画しか映画館で見る自信ない



観た人に委ねる、そのあとは任せてしっかり人に考えさせる責任みたいな作品ってどんどんなくなるのかな きっと作る方もしんどいしな 
個人的に普段は言葉で何でもかんでも考えようとするし、思考の方向性的に広がるのではなく集めてまとめるタイプだから、こういうものを見ると言語化したときこぼれ落ちる佇まいの良さとか、空間的な良さみたいなことに思いを馳せてしまう そういうものを所有できない、手に入らない気持ち悪さ だからこういう映画を見て少しの間取り戻した気分になりたいと感じているのかもしれない……
花