楽しい思い出のはずなのに、不穏な空気が漂う。あとからサントラを聴くと、美しくて寂しい曲が多い。
映画が終わった瞬間、「あれ、これで終わり?」となった。大きな感動があるのかと思いきや、なんだかよくわからなかったので、観たのを失敗したのかと思った。
帰り道、この映画のことをずっと考え、思い返していた。
そして、鑑賞中に自分の父との思い出をぽつぽつと思い出していたことに気が付いた。
小学生のころ父と母は離婚し、父とは20年以上会っていなかった。その父は一昨年知らぬ間に亡くなっていた。(病気だったらしいが)
父との思い出はもうぼんやりとしか覚えていない。覚えているのは主人公と同じ、夏の思い出。
キャンプへ行き、プールへ行き、海へ行き。断片的な記憶。
わたしには主人公のようにテープは残っていない。父が何を思い、何を感じ、何に悩んでいたのか、わたしはこれから手繰り寄せることはできるのだろうか。
自分と重なる部分が多過ぎて、するどく胸に刻まれた、後を引く映画。
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全然関係ないけど、観に行った映画館で別の映画にちなんで販売してたミントティーを飲みながら鑑賞。地域は違うけど、映画の内容にとてもよく合う味だった。