PERSPECTIVE

aftersun/アフターサンのPERSPECTIVEのネタバレレビュー・内容・結末

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

冒頭のビデオカメラ映像がビスタサイズだった時点で「これあかんかもしれん、ちょっとレトロっぽくして図に乗ってるボンクラかもしれん」という予感がしたが、見事なまでにそれを裏切らないしくじり映画だった。(いやもともとビスタだったのかも...と思ってたらスタンダードサイズで撮ってるシーンが見えてもう駄目だった)
本作の何が良くないって、撮影のべらぼうな上手さと子役の渾身の魅力が物語や演出を完膚なきまでに叩き潰してるんですよ。

(多分だけど)在りし日の父親を同じ年ごろになった現在の娘が回想するという物語なのだから、主役はこの二人であるわけで、当然そこが軸になるようにしなければならない。そのためにはフィルム的な撮影がうまいキャメラマンが必要だろう。ここまでは問題なかった。ところがどっこい登場人物の中で一番魅力的だったのは子供時代の娘を演じた子役ではないか!そして当然キャメラは彼女を中心に撮ってしまう。これで演出の目論見はすべてパーだ。結果見事なまでにスカスカな映画が出来上がってしまった、というわけ。ここまできれいにしくじるとは逆に天晴だ。

しかしここまでぶっ続けで文句言ったが、子役の魅力はマジで尋常なものでないのでこれを見るだけで料金のもとは取れることは保証しよう。この娘の今後が楽しみだ。願わくば次はこの監督と組まないよう…
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