さ

aftersun/アフターサンのさのネタバレレビュー・内容・結末

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

クラブの明滅の中でかつての父と踊るシーンの尊さは今年ベスト級にエモーショナル。幼い自分では与えられなかった抱擁を父に、という切実な願いは、父がくれたあの夏の記憶と同じくらい鮮烈にスクリーンで輝く。
バイナリー的な思考だけど、異性の親子関係特有の眩しさってのもあるのだろうか。その後のソフィの性的嗜好とは独立して、思春期の異性に触れる高揚が描かれているのも実に秀逸だと思った。

この父娘は兄妹に見えるくらい歳が近いけど、我が家は真逆の設定なので、おっさんに片足突っ込んでからぴかぴかの命(私)を手にした父の感情を想像して泣くなどしました。いや普通に若くてイケイケな時分のお父さんも想像するに泣けるのだが。
歳を重ねることにずっと拒否感を抱いていたけど、親が生きた年齢まで生きて彼らが感じていたことを感じてみたいと思えた。映画に延命されている。
さ